チャイコフスキー 交響曲第2番 ショルティ指揮 パリ音楽院管弦楽団白石一文の直木賞受賞作である「ほかならぬ人へ」が文庫化されたというので、上野の本屋で購入し、電車のなかでおもむろに開いてみると、読んだことのある内容だった。
しかも前回読んだのは何年も前という話ではなく、2012年のこと。
なんとなく見覚えがある表紙だと思っていたが・・・。
トンチンカンなことである。
大丈夫か、オレ。
ショルティの指揮でチャイコフスキーの交響曲2番を聴く。
「小ロシア」という副題は作曲者がつけたものではなく、しかもウクライナを蔑視した言葉であるらしいが、ここではCDのジャケット通りに書いておく。
録音は1956年だから、ショルティが40代半ばのころ。呼吸は速く、音は短く切り刻まれ、リズムの刻印が濃い。
金管楽器にパンチが効いていて、じつに荒々しくパワフルな演奏である。なので全体の雰囲気はわりと泥臭いが、ロシア臭は薄い。これはなんの匂いなのだろう。フランスでもないし、かといってハンガリーっぽくもない。しいて言えば多国籍料理のようだ。
シカゴ響就任前のショルティは、やはり尖っている。そのトンガリ具合とパリ音楽院とのマッチングがなんともいえぬ風味をもたらしている。オケは、やはりホルンとオーボエがいい意味で古臭くていい。
1956年5月、パリでの録音。
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