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裏切りの流儀、レーピン、ヴァイオリン協奏曲

2011.07.02 - チャイコフスキー
     
tch

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」 レーピン(Vn) ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管


「裏切りの流儀」は高田純次と茂木健一郎との対談集。脳科学者が高田の面白さの秘密に迫る、というような流れになっている。前半はもっぱら真面目な話になっていて、笑いを期待していたら肩透かしをくらった。一抹の不安を感じたが、後半からじょじょにエンジンがかかってきて、面白さがヒートアップ。
「茂木 『冒険家の方と話すと、意外なくらい盛り上がらないことが多いんです。それって、もしかしたら彼らが最も輝くのは極限の場所だからかもしれないですね。』
「高田 『スキー場で知り合ったいい女は、街で見るとブス、というのと同じですかね(笑)。』
女に最初に会うときは、やはり夏場がいいようだ。


記憶によれば、ワディム・レーピンが鳴り物入りで登場したのは、ブーニン、キーシンの少しあとだった。ブーニンがショパン・コンクールでの優勝を手土産に来日し(十代なのに堂々と煙草を燻らしていた姿が忘れられない)、コンクールで優勝したわけではないキーシンが突如降臨し(髪型が忘れられない)、日本ではちょっとしたブームになった。落ち着く間もなく、またまたソ連からすごい若手が出たということで現れたのがレーピン。正直言って、ブーニンとキーシンで何年かぶんびっくりしちゃっていたので、もうそれほどインパクトはなかった。若いのに妙にオッサンくさい雰囲気を醸し出していたからかもしれない。彼のヴァイオリンを何曲か聴いたが、もちろんうまい。だって、神童だもの。
あれから、数十年。レーピンを久々に聴いた。
重すぎず軽すぎないヴァイオリンは切れ味がよい。適度なタメをつけながら朗々とメロディーを歌わせるところなんかは、チャイコフスキーのツボをしっかり押さえている。フォルテでオーケストラと合奏するところでは、クッキリとソロが聴こえるから、そうとう強い音とみた。勢いがいい。高音でときおりキリキリとざらつくところがあるのは、ライヴだからかもしれないが、最後まで気になった。
ゲルギエフの指揮は万全。ソロにぴったり合っているし、濃厚な味付けでしっかり主張もする。ラストがじつにカッコいい。


2002年7月、フィンランド、ミッケリ、マルッティ・タルヴェラ・ホールでのライヴ録音。
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