モントゥー指揮ボストン交響楽団の演奏で、チャイコフスキーの交響曲6番『悲愴』を聴きました(1955年、ボストン・シンフォニーホールでの録音)。
全体を通して、昨日聴いたミュンシュ盤のように鋭角的なものではないようです。でも、丸くて膨らみのある造形はスケールが大きい。3楽章のマーチについてもそうで、矢鱈とダイナミックを指していくものではなく、抑制が効いています。ここはミュンシュのほうが面白い。
4楽章こそが、この演奏の白眉。感傷味は薄いけど滋味が奥深く、非常に濃密。黄金色にうねる弦に心を委ねているうち、いっとき世間の雑事を忘れます。
1955年のステレオ。とてもクリアだし、自然であるようにも感じます。
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