ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、チャイコフスキーの交響曲2番を聴きました(1977年3月、ロンドン、アビー・ロード第一スタジオでの録音)。
このディスク、久しぶりに聴いたけどやはりいいなぁ。
玲瓏な佇まいでありながら、ここぞというところで熱い炎を燃焼させている。
スマートで洗練されているいっぽうで、ロシアの大地なるものの匂いを感じさせてもいる。
また、全篇に渡りこの指揮者独特の歌心に満ちており心地よい。歌心とはフレージングの妙味。抑揚があり、しなやか。そこに匙ひと掬いの感傷が加わる。
ダイナミックにも長けていることは、終楽章のラストを聴いたら瞭然。この曲のしつこさについて昔、井上道義さんが「これでもか、これでもか、う〜、これでもか!」などと言っていたけれど、ムーティの演奏ならば、もっとずっと続いて欲しいと思うのでした。
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