チャイコフスキー 交響曲1~2番 マルケヴィッチ指揮 ロンドン交響楽団チャイコフスキーの第2交響曲は「ウクライナ」とも呼ばれるが、彼の交響曲の中では最もロシア臭が強いように思う。凍てついた路地の居酒屋、ウォッカの香り、昔に飛行機の上から見た広大な森林、ドストエフスキーによく出てくる知的で偏屈な酔っ払い、ボルシチの酸味、それが私のロシアのイメージ。この曲を聴くと、それらの風景が眼前にあらわれてくるようだ。
ここにはチャイコフスキーの良いところも、悪いところもいっしょくたにある。
甘く詩情豊かなメロディー、華麗なオーケストレーションがいいところならば、退屈さを感じないわけにいかない構成力、サディストではないかと疑わざるを得ないエンディングが玉に傷だ。
でも、そういうところを含めて、「第2」は魅力に溢れている。
マルケヴィッチのチャイコフスキーは、メリハリをキッチリとつけてオケをガリガリと鳴らせた野趣溢れる音楽を聴かせてくれるが、この「小ロシア」はその最右翼の演奏だろう。
オーケストラを壮大に鳴らせることにぬかりはない。ことに、終楽章のラストはすごい。
倒れた相手を殴り続けるような執念深さ、しつこさがある。慣れてくると感覚が麻痺してきて、もっともっとやってほしいと思ってしまう。楽しくもあり怖い音楽だ。ある種の狂気を感じる。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
マルケヴィッチはロンドン交響楽団とチャイコの全集を感性したいますが、2番が一番いいかもしれません。歯切れよく鳴らせることにかけては、どれも完成度が高いですが、2番はまあスゴイこと。
いずれ、全曲をレビューしたいものです。
演奏そのものは、どれも同じようなものなのですが…(笑)。
オーマンディの初期の3曲は気になります。
ボーナスが出たら考えますネ。
2007.11.18 16:15
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