シューマン 「森の情景」、「ノヴェレッテ」、「トッカータ」、「ピアノ協奏曲」、「序奏とアレグロ・アパッショナート」 リヒテル(Pf)シューマンの「森の情景」は、大好物。いい曲のわりには、それほどよい録音には恵まれていない気がする。技術的には簡単そうに聴こえるけど、シューマンの放つインスピレーションが豊かに溢れるピアノは意外に少ない。
リヒテルの演奏は、ルービンシュタイン、アファナシェフと並んで、幻想味の濃いものだ。
この曲は標題のある9曲から成っていて、それぞれ「森の情景」になっているわけだが、私の場合、なぜだか都会の夜ふけを感じるのだ。
1.森の入り口
おとぎ話を紐解くときの軽い高揚感。
2.待ち伏せる狩人
宵の口の興奮。
3.もの寂しい花たち
足取りがおぼつかない酔い心地。
4.呪われた場所
現実で我に返るが振り払おうと悪あがき。
5.親しげな風景
会社帰りの繁華街。
6.宿屋
親しげな初めての街を散歩。
7.予言の鳥
都会の深夜の国道。
8.狩りの歌
根拠ない勇気。
9.別れ
夜景の眺めのよい部屋で明日を考えず酔いつぶれる。
1956年プラハでのモノラル録音。まったく古さを感じさせない。
カプリングされているシューマンの協奏曲を先日取り上げたが、聴きかえしてみたところ、リヒテルの素朴で重量感のあるピアノとロヴィツキの丁寧な演奏がすばらしく、これは同曲のなかでも最良の演奏であると改めて思った次第。
それから「序奏とアレグロ・アパッショナート」では、シューマンの生真面目な狂気を淡々と弾ききるピアノと、オケのパッションみなぎる闊達さがすばらしい。こちらの指揮はヴィスロツキ。PR
無題 - sweetbrier
Re:sweetbrierさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
ドイツの深い森を想像したりする一方で、都市部の夜も連想してしまいます。
どっちなんだか。
今日の気分は都会ということで^^
それにしても、リヒテルの演奏は際立ちます。霊感漂うピアノです。
カプリングの曲もよく、ディナーコースのような変化が楽しいCDでありました。
2007.11.18 21:00
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
このCD、美味しかったです。
記事にはしていませんが「序奏とアレグロ・アパッショナート』がまた名演奏でした。ピアノもオケもすばらしいものです。
ポリグラムのリヒテル・シリーズ、やはり聞き逃せません(とかいってまだ2枚目ですが…)。
2007.11.20 17:47
この記事へのトラックバック
TrackBackURL
→