マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で、チャイコフスキーの交響曲4番を聴く(1981年、クリーヴランド、メイソニック・ホールでの録音)。
これは、磨き抜かれた大理石のような演奏。
クリーヴランド時代のマゼールらしい、縦の線がピタリと合っていて、筋肉質で精悍なチャイコフスキー。
このボックスにチャイコフスキーの交響曲は、クリーヴランド管弦楽団で後期の3つが収録されているが、この4番がもっともすぐれているように思う。
アンサンブルの精度は極めて高く、セル時代のものと遜色がない。色彩感の豊かさ、音色のつややかさを考慮すると、むしろこちらのほうが優れていると感じる。
4楽章の最後は壮絶な追い込み。手に汗を握る。
この4番の演奏のなかで、技術の高さではムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1960年DG)とショルティ/シカゴ響(1984年デッカ)が双璧だと思っていたけど、このマゼール盤もひけをとらないくらいに素晴らしい。名演である。
パースのビッグムーン。
PR