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プレヴィンのチャイコフスキー「眠りの森の美女」全曲

2007.06.11 - チャイコフスキー
previn

チャイコフスキー「眠りの森の美女」 プレヴィン指揮ロンドン交響楽団


もうすぐクール・ビズの季節がやってくる。ネクタイは嫌いじゃないが、朝の忙しいときにネクタイを結ばなくても良いかと思うと少し嬉しい。それよりなにより、歩いているときや電車の中が多少でも涼しいのがいい。
ここ数年参加しているが、何故今まで、こんなにいいものがやられなかったのが不思議でならない。
ネクタイも悪くないけれど、猛暑のなかをネクタイに背広は、なにしろ尋常ではない。政府のやることは「なんじゃこれは」という類のものが多いと思うのだが、クール・ビズについては結果オーライである。
ニホンの夏は暑いですからね。


プレヴィンの「眠りの森の美女」をゴールデン・ウィークに購入して、しばらく暖めておいた。
聴くのがなんだかもったいなかったのだ。
そろそろ熟したかなという頃に、ちょびっとずつ聴いてみた。まずは1枚目をちょこちょこと。次の週に、2枚目をじわじわ。次の週に、また1枚目に戻ってコソコソと。
結局、両手で数え切れないくらいに聴いた。一度も通して聴いていないところがミソである。
ロンドン饗が実にいい。もうこれ以上は望めないくらいに冴え渡っている。重厚で弾力のある弦を土台に、木管は悲しげに時に楽しげな旋律を朗々と奏で、金管は艶やかでしっとりとした響きを惜しむことなく披露し、ここぞというときに大太鼓とシンバルの野太い音が炸裂だ。
ここまでオーケストラが光るのは、指揮者の采配がいいからに決まっているが、チャイコフスキーとの相性も抜群といえる。プレヴィンは、こうしたメルヘンを題材にした音楽をやるのがめっぽううまくて、それは「真夏の夜の夢」でも目覚しい効果をあげたが、この曲についても、この演奏があれば他には聴かなくてもいいくらい、良すぎてまいった。
何度聴いても飽きないどころか、チャイコフスキーそしてオーケストラの醍醐味にますますハマッてゆくのだ。
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Comment

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは!
今月は別館をお休みしてマンスリー企画に没頭しておりますが(勿論しじみさんの対抗意識に正面からぶつかっているからです(爆))、代わりに吉田さんが名盤の中の名盤を採り上げてくださいました!!
プレヴィン&LSOの3大バレエの中ではいくぶん華美すぎるきらいもあるのですが、ではこれほどの名演を見出せるかとなると、なかなかありません。(スヴェトラーノフもスラットキンもいいのですが、やはりプレヴィンの素晴らしさには…。)
なお、この録音は別室の最終エントリーの一つ前に採り上げる予定です(笑)。いったい何時のことになるのやら…(汗)。
2007.06.11 Mon 22:45 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
今週は交響曲は週末に聴こうと思います。平日はそれ以外のジャンルを。書けるかどうかは別として。
このCDは期待以上に良かったです。薄靄のかかったような録音も、雰囲気があって素晴らしい。
全曲だから曲もさまざまですが、9割以上はgoodであり、自分が作曲者だったら組曲に何を採用するか悩みまくるでしょう。
Niklaus Vogelさんの記事を首を長くして待ってます!
2007.06.12 06:48

無題 - sweetbrier

こんばんは。
熟したかなという頃に、ちょびっと~ちょこちょこと~じわじわ~コソコソ~という聴き方、読んでいて「ああいいな~」と思いました。かっこええですやん。
私は最近どうもシャカリキになって聴くきらいがあるので(それゆえ合間に王子の歌っているCDなどをこれまたガンガン聴くのです)、こちらのエントリーで正気に返ったというか、もとい、肩の力が抜けた、です。よかったです。

プレヴィンの「眠り」、
> 薄靄のかかったような録音

まさに! これは録音によるものなのですね。なるほど。私はずっと「いくらフェアリーテイルでもちょっと緩いんじゃないか」と感じていたのです。近いうちにゆっくり聴き直してみようと思いました。
2007.06.13 Wed 00:07 URL [ Edit ]

Re:sweetbrierさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
あまり熟しすぎると、忘れて放置プレイになることもしばしばです。
この聴き方はかっこええですか!? そういう評価をいただけるとは夢にも思いませんでしたので、うれしくて今晩呑み過ぎそうです。
王子というと、ハンカチ…ではありませんよね?

演奏そのものも極上ですが、モワッとした録音がより効果的だと思います。いいCDです。ところで、フェアリーテイルとはおとぎ話のことだと、今調べて知りました(笑)。これも意識した録音なのかもしれませんね。
2007.06.13 12:37

無題 - sweetbrier

こんばんは。呑み過ぎてませんか~?
吉田さんのRe.2行目の名詞を何の気ナシに検索サイトにかけて仰天しましたです。油断ならんな。私の王子はフィンランド人ですがな。

私は今日、チャイコフスキーの交響曲を2つのオーケストラで聴きましたが、「他はともかく、この作曲家との相性は抜群」という取り合わせってありますね。ほんとに、その演奏があれば他には聴かなくてもいいと思うほどです。
2007.06.13 Wed 23:25 URL [ Edit ]

Re:sweetbrierさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

再度のコメント、恐れ入ります。
放置プレイですが、ここではただ「ほっぽっとく」という意味で捉えていただければ幸いでございます…。
ハンカチではありませんでしたか。CDは出していませんものね。フィンランド人の王子でググッてみると、なんとテニスの王子がいました。世間は王子ばやり。何故か、王様はみかけませんね。

チャイコフスキーは交響曲もいいですねー。曲と指揮者との相性ってありますよね。私も今週末に聴きたいと思っています。このコンビもなかなかじゃないかと。目新しさはありませんが。
2007.06.14 06:46
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