ブルックナー 交響曲第5番 レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団今月の交響曲シリーズも真ん中に到達。
5番になると、シューマンもブラームスもラフマニノフもボロディンも、もうこのステージにはいない。9番のジンクスというのがあるけど、あれはベートーヴェンが特別だったわけで、生涯に交響曲を5曲以上書く作曲家は、そうそういないのだ。
そこで今回は生粋の交響曲作家ともいえる、ブルックナーを。
第5は、ブルックナーの中でもスケールの大きさ、演奏時間の長さでは8番に次ぐ大曲だ。
数多くの大家の録音が残っているけれど、今日はレーグナーの録音を聴いてみた。これは、彼のブルックナー・シリーズの第一作にあたるもの。
とても変わった演奏だと思う。まず残響が多い。トンネルで演奏したのじゃないかと思うくらい。
ブルックナー特有の、強奏のあとの長い静止部分においては、ホワワワワーンという残響が残りまくっていて、音楽はまったく途切れていないように感じる。
それから、響きの明るいこと。録音のせいか、各楽器ははっきり分離して聴こえないが、その代わりに、一切合切が溶けとんだ合奏の混濁した色合いを味わうことができる。ドイツのオーケストラにしては低音が強調されていないので、金管も弦楽器も白昼の太陽のように輝かしい。
そんなに数を聴いているわけじゃないが、こういう響きをさせるブルックナーはめずらしいのではないかと思う。
全体的に、テンポの変化も小さいので、聴くほうはひたすら残響の多い響きのおいしさを堪能することができる。音楽を感覚的に聴かせようという、指揮者の意図なのじゃないかと想像する。
この演奏の本命は、マタチッチとケンペ。
でもこの演奏も、ユニークで捨てがたいものがある。PR
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
ブルックナーの5番は幽玄な冒頭から怒涛のラストまで一気呵成に聴いてしまいます。
レーグナーの5番がいいかどうかは微妙なところですが、昨日聴いたときはうまく乗ることができました。
浮世の喧騒を全く感じさせないサラサラ感があって、面白い演奏だと思います。
2007.06.11 06:31
無題 - しじみ
Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
トッカータとフーガ、流れちゃいましたか(笑)。
演奏者も同じとか?
5番以降は、重なる確率が高そうです。私はここにきてようやく9番まで決めました。
しじみさんの5番(の演奏者)、楽しみです!
2007.06.11 07:10
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
オーマンディのブルックナーって、一度も聴いたことがありません。想像するに、屈託なく明るく鳴るブルックナーでしょうか、面白そうです。レーグナーのものは、細かいけれども大らかな(矛盾?)演奏で、なかなか楽しめました。
6番から9番まで、おなじみの有名曲が続きマス。
2007.06.11 06:40
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