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チョン・ミョンフン、"悲愴"

2016.01.02 - チャイコフスキー

ma



あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、今年の初聴き(正確には、昨晩のウイーンのニューイヤー・コンサートをチラ見したが)はチャイコフスキーの「悲愴」。
チョン・ミョンフン指揮ソウル・フィル。

この曲を昔から愛してやまないが、とくに3楽章が好き。峻烈にして剛毅。血沸き肉躍る。あんな音楽はそうそうない。
今まで聴いた中では、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団、カラヤン指揮ベルリンフィル(EMI)、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(DG)、マゼール指揮ウイーン・フィルといったところを気に入っている。畢竟、3楽章がよければ、あとの楽章もついてくる。そういうふうに聴いている。

チョンの演奏は、都会的にじつに洗練されている。両端楽章はそれぞれ19:40と11:47と、比較的遅めであるが、全然もたれない。レガートを多用したしなやかな弾きぶりはなんとも瑞々しい。たっぷりと間をもたせるところなど、少しケレン味もあり。

件の3楽章は、流れがよく迫力もなかなかあるが、スマート。
ただ、カラヤンの暴力的なまでの激しさや、ムラヴィンスキーの狂気といった類のものはここでは聴けない。チョンの演奏は完成度が高いと思うが、そのあたりが、くい足りなさを感じる。

年末の新聞に、このコンビが解消されるという記事が載っていた。これから聴こうと思っていたのにな。


2011年8月、ソウル、アーツ・センターでのライヴ録音。





ma
 
海へ。





3月で絶版です。。







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Comment

明けましておめでとうございます - lumino

芳野さま、明けまして おめでとうございます。
いつも読み逃げをしてしまい、初めてコメントをさせていただきます。

昨年冬に私の拙ブログにてチャイコフスキーの交響曲第6番に初めて芳野さまよりコメントをお寄せいただきました。その折りにはありがとうございました。
「悲愴」は5本の指に入るお好きな曲とのことでしたね。
チャイコフスキーの交響曲は昨年、やっと目覚めたばかりですが、「悲愴」の気迫のある演奏には息を呑む思いです。
チョン・ミョンフン&ソウル・フィルの「スマート」で「食い足りなさも感じる」ような演奏とのこと。
鬼気迫る演奏とは一線を画しているようで魅力を感じました。一度、聴いてみたいと思っています。

芳野さまが執筆された「クラシック音楽の毒と薬」をrudolf2006さまのブログで知ってから、かなりの月日が経ってしまいました。
貴ブログにて、3月に絶版とのことを知りました。
作品に対してのご感想を愉しく拝読し、またディスクを求める時の参考にもさせていただいております。
機会がありましたら是非、続編を期待しています。

最後になってしまいましたが、万年クラシック音楽ビギナーですが今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2016.01.03 Sun 15:36 [ Edit ]

luminoさん、あけましておめでとうございます。 - 管理人:芳野達司

コメントをありがとうございます。
「悲愴」は大好物です。小学校の頃に買ったカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏に衝撃を受けて以来、自分のなかでは特別な曲です。
チョン・ミョンフン&ソウル・フィルはとてもなめらかなスタイルです。ですので、1楽章と4楽章がいいようです。

拙著を読んで頂き、ありがとうございます。
今読むと文章の不備が目立ち恥ずかしい限りですが、お読みいただけてとてもうれしいです。
初版はまあまあ売れたのですが、重版したらまったく売れず、大量に余っています。笑
そして出版社との契約が1年なので、3月にて販売終了となります。

今年もよろしくお願いいたします。
2016.01.04 17:11
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