あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、今年の初聴き(正確には、昨晩のウイーンのニューイヤー・コンサートをチラ見したが)はチャイコフスキーの「悲愴」。
チョン・ミョンフン指揮ソウル・フィル。
この曲を昔から愛してやまないが、とくに3楽章が好き。峻烈にして剛毅。血沸き肉躍る。あんな音楽はそうそうない。
今まで聴いた中では、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団、カラヤン指揮ベルリンフィル(EMI)、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(DG)、マゼール指揮ウイーン・フィルといったところを気に入っている。畢竟、3楽章がよければ、あとの楽章もついてくる。そういうふうに聴いている。
チョンの演奏は、都会的にじつに洗練されている。両端楽章はそれぞれ19:40と11:47と、比較的遅めであるが、全然もたれない。レガートを多用したしなやかな弾きぶりはなんとも瑞々しい。たっぷりと間をもたせるところなど、少しケレン味もあり。
件の3楽章は、流れがよく迫力もなかなかあるが、スマート。
ただ、カラヤンの暴力的なまでの激しさや、ムラヴィンスキーの狂気といった類のものはここでは聴けない。チョンの演奏は完成度が高いと思うが、そのあたりが、くい足りなさを感じる。
年末の新聞に、このコンビが解消されるという記事が載っていた。これから聴こうと思っていたのにな。
2011年8月、ソウル、アーツ・センターでのライヴ録音。
海へ。
3月で絶版です。。
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