年末が忙しい原因に、忘年会とクリスマスと大掃除と年賀状書きがあると思う。
いつも呑みに行っているので、忘年会は特に気にならないし、クリスマスはケーキを買ったり作ったり、プレゼントを用意したりと、やる気になればそれなりに忙しくなってしまうのだろうが、ここ何年も私は別になにもしないので、クリスマスも大きな要因ではない。
大掃除は避けにくい。避けて通れば空気が不穏になる。どうせならもう少し暖かい時期にやってほしいものだ。この寒い時期に窓や網戸を掃除するのは、なにか間違っているように思う。季節は、ほどよい暖かさの春もしくは秋がいい。
年賀状書きは、年々面倒くさくなってきている。学生のころは暇だったから時間をかけて楽しく書いていたものだ。暇は今もけっこう暇だけどなんだかおっくうになってきている。毎年この時期になると、今年で年賀状はやめようと思うのだけどしがらみに押されてずるずる続けている。それでも今回は1割くらい減らせたから、毎年少しずつ減らしてゆけばいつかは…。
このセルのシューマンは、スタジオのほうではなく、ルガーノでのライヴ。1957年収録。
第1楽章は、あまり音が出ていない。副声部はほとんど聴こえないし、主旋律はなんだかむりやり鳴らせているよう。エンジンが温まっていない感じの演奏で、ぼんやりとしている。
第2楽章は、速めのテンポにきっちりとついていく弦楽器群の冴え渡る妙技が聴きもの。鬼のようなアンサンブルはあたかも少人数で弾いているかのようだが、合わせることに注力した結果か、全体の流れはややぎこちない。
第3楽章は、ヴァイオリンのむせび泣くような響きが感動的だ。合奏の精妙さというのは、速い箇所ではなくむしろこういうゆっくりとした楽章に効果が発揮されるものだ。透徹した弦による歌は、やや冷たい肌触りを感じさせるが、それが情緒に傾きすぎず甘すぎず、控えめな感傷を紡ぎだすのによい塩梅になっている。
この演奏でも鉄壁のアンサンブルをところどころに感じることができ、ライヴでもこの精度を出せるあたりは、さすがセルとクリーヴランドといった感じだが、この演奏で聴くべきところは、むしろ硬軟とりまぜた変化の妙だ。それは終楽章によく出ている。弦楽器のうえにフルート、オーボエが折り重なっていくところの優しい表情や、クライマックスに向かってアッチェレランドをかけたかと思うと徐々にブレーキをかけていき、重層的な音響でファンファーレを響かせるところなどは、熟練したベテラン投手の投球のように味のある芸だ。
録音はモノラル。ライヴにしては鮮明なほうかもしれないが、セルの音楽はよい録音でないとあまり面白くないようだ。PR
無題 - bitoku
Re:bitokuさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
またまたコメントをありがとうございます。
休日はなるべく書くようにしています。ほんとうは毎日でも書きたいくらいなのですが、平日は呑んだくれているのと、眠いのとで、おもうように書けないでいます。それよりなにより、ネタがあまりないですが^^
シューマンの2番は、私見ではシノーポリ/ウイーン・フィルが最高だと思います。次にハイティンク/コンセルトヘボウですね。前者は聴き手の琴線に食い込むような切れ味とリズム感、後者は、たっぷりとした異国のたゆたうようなロマンを感じます。サヴァリッシュのも好きですよ。
このセルの演奏は、技術的にかなり優れた演奏ですが、抑揚が大きいところがライヴらしくて面白い出来になっているようです。
2007.12.24 23:58
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
そしてメリークリスマスですね。
明朝に枕元にプレゼントがあるのではないかとドキドキです(?)
私は逆にCBSのスタジオ録音を聴いていません。名盤の誉れ高いものなので是非聴いてみたいと思いつつ機会を逸しています。
吉田秀和は、中国の磁器に喩えていましたね。ベートーヴェンの「英雄」でしたか。私はあの演奏が聴きたくてなりません。数年前に復刻されたのはモーツァルトとシベリウスに留まりました。セルの日本での「英雄」、これは最もCD化してほしい演奏です。過去の演奏で聴きたい演奏会のベストスリーに入れたいくらいです^^
2007.12.25 00:04
無題 - sweetbrier
Re:sweetbrierさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
そして、メリー・クリスマス!
仰るとおり、今晩は胡桃入りのチョコレートケーキと赤ワインでありました。もう、べろべろでございます。明日は大丈夫なのか!?
大掃除、多少は手伝わないとやばいので、半日くらいは指令通りに実施しようと思います。ホントは掃除きらいなのですよ…。
セルのシューマンは、スタジオのものは未聴ですが、ルガーノのライヴはいろいろな意味で聴かせます。スリリングな合奏や、抑揚の大きい表現などが面白いところです。
注目なのは、カプリングのドビュッシー「海」です。これはまったく目覚しい演奏で、二日酔いも飛んでいきそうな快演でした!
2007.12.25 00:17
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