プライのバリトン、エンゲルのピアノによるシューベルト「美しい水車小屋の娘」を久しぶりに聴きました(1971年5月、ミュンヘン劇場での録音)。
この曲はシュライアーによる演奏を聴いて以来、テノールによるものが断然好き。
ヴンダーリヒ、ギュラ、アライサ、クリストフ・プレガルディエン、ヨゼフ・プロチュカ。それぞれ素晴らしいので断捨離できません。
このCD、年末の掃除を終えて、なにか聴こうと思い取り出しました。先日「ヘンゼルとグレーテル」を視聴し、父親役を歌ったプライはやっぱりよくて、また彼を聴きたくなった。
甘くて、ふくよかで、コップから溢れるほどの憂鬱があって。20代の頃の、悶々とした日々を思い出しました(笑)。
プライは録音当時40過ぎ。男は中高年になっても、さすらいの若者の気持ちを持っているのではないかしら。良くも悪くも。
エンゲルは巧緻にして自然。9曲目「水車屋の花」の3節目のメロディをオクターブ高く演奏していて、何度目かの聴取にもかかわらずハッとしました。これは他でも聴いたけど思い出せない。モヤモヤしつつ年を越す。
本年はありがとうございました。
あなたにとってよい年になりますように。
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