ツァバ・シルヴァイとゲザ・シルヴァイ指揮ヘルシンキ・ストリングスの演奏で、シェーンベルクの「浄められた夜」を聴く(2000年12月、フィンランド、ヘルシンキでの録音)。
昨日は、5月の風がとても心地よかったなんて言ってましたが、今日の東京は風がほとんどない蒸し暑さでした。
そこで、涼しくなりそうな音楽を。
この曲は1899年に作曲されたもので、シェーンベルクの初期の作品です。後期ロマン派特有の、濃厚な味つけが施されています。
オリジナルは弦楽六重奏ですが、のちに弦楽合奏に編曲され、こちらも広く演奏されています。本ディスクは弦楽合奏版によるもの。
これを作るにあたり、シェーンベルクがインスパイアされたリヒャルト・デーメルの詩は、非常にロマンティック。
ご興味あるかたは、検索すればいろいろ出てきますのでご参照ください。
ヘルシンキのアンサンブルは、適度な膨らみのあるもの。ひんやりとした肌触りはありますが、ひややかではない。テンポはいくぶん遅めに、じっくりと歌っています。甘いところは抑えない、でもスタイルは毅然としています。
透き通った響きが、悲しいくらいに美しい。
月の光がもたらす官能が、夜のしじまに広がります。
パースのビッグムーン。
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