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ポリーニのシェーンベルク「5つのピアノ曲」

2009.09.05 - シェーンベルク

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シェーンベルク ピアノ作品集 マウリツィオ・ポリーニ(Pf)


パコ・ムーロ(野田恭子訳)の「なぜ、エグゼクティブは大雨でもスコアが乱れないのか」を読む。
私はエグゼクティブではないしゴルフもやらないし大雨でもたぶんない。なのにこの本を手に取ったのは、題名と内容とが微妙に違うのじゃないかと思ったのが一因なのだが、果たしてその通りであった。
エグゼクティブらしき人物は登場するものの、ゴルフや大雨についての記述は特にない。また、ビジネスに関することも目新しい考えは見当たらず、ごく普通のあたりまえのことが書いてある。これも予想通りなのだが、それがわかっていて読んでしまうということは、うすぼんやりとわかっていることを再確認したいがためなのだろうな。

「私が経営する会社では、みな、よくこう言っている。
『来ない人は、いない人。電話をくれない人もいない人』
こう言われると、誰もが気づくはずである。市場がどうだとか、商品がどうだとかは問題ではない」。

私はまた営業でもないのだが、こういう文章を読むと、なるほどそうなのだろうなと無責任に納得するのである。そんな他人事のような態度を取るあたり、これは現実逃避のひとつなのかもしれない。
そう、資格試験のある10月を前にして、肝心の勉強がいっこうに進まないのだ。やる気がまったく起きない。問題集もまっさらだ。
その反面、参考書以外の本をむしょうに読みたくなる。問題集を解くくらいなら「方法序説」を読みたいくらいである。
これじゃ、期末試験を一週間後に控えた中学生だな。


「5つのピアノ曲」(作品23)は、1920年から1923年にかけて作曲された。
シェーンベルクの10年間に渡る沈黙期間を破る最初の作品である。10年の間、無調から12音音楽への移行の探索を続け、この作品で12音技法が確立したと船山隆は語っている。
無調と12音音楽、聴いただけでは違いがわからない。

このシェーンベルクはポリーニの評価を揺るぎないものにしたレコードのひとつ。とっつきやすいとはいえないシェーンベルクのピアノ曲を世に広めたという価値も高い。「シェーンベルクのピアノ」=「ポリーニ」という図式は30年以上に渡って固まっているのじゃないだろうか。
かくいう私も、これらのピアノ曲の演奏はポリーニ以外に聴いたことがない。他のピアニストの演奏をいまひとつ聴く気になれないのは、ポリーニのキンキンに冷えたピアノの響きがあってこその曲だと思うことと、それほど面白い曲じゃないからもういいやといったある種の諦めからきているようだ。
全曲で10分程度の長さであり、それぞれ緩急おりまぜた変化があり、打楽器としてのピアノの音響を楽しめる。構造うんぬんよりも冴えたピアノの響きのおいしさ。


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1974年5月、ミュンヘンでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

いつも聴いてもいないのに、無責任なコメントです。m(_ _)m

私も、「エギュゼクティヴ」でもありませんし、ゴルフもやらないのですが、何とはなしに納得しました、爆〜。自分からこうしよう、ああしよう、と思うのではなく、流れに任せるということかな、と思ったりもしますが、そうではないような気もしますし、分かりません、爆〜。

資格試験、前にも受けておられなかったですか?
色々と受けられないと行けないんですね〜。私は、もう資格など受ける元気もないかもしれません、日々を暮らしているだけで精一杯かもしれません、爆〜。

ポリーニの写真、めちゃくちゃに若いですね〜
もう60歳を越えていますよね。この写真の頃は20歳代でしょうか?
現代音楽を昔はよくやっていたような気もしますね。シェーンベルクは、オケストラ曲は少しは聴いているのですが、ピアノ曲はほとんど聴いていないように思います。これも一度は、聴いてみたいですが〜。

ミ(`w´彡)
2009.09.07 Mon 07:38 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

>いつも聴いてもいないのに、無責任なコメントです。m(_ _)m
いつもありがたく頂戴します。

DCプランナーという企業年金の試験です。去年に2度目でなんとか合格しましたが、もうひとつ上位の受験を会社で奨励していまして、会社でも勉強会をしております。まったくついていけていません。そもそも勉強する気力がないので、今年は雰囲気だけつかめればいいかなと思っています。

ポリーニの写真、70年代前半なので30くらいじゃないでしょうか。今思えばこの頃が旬だったとも思えますが、もっと歳を経て大変身する、なんてこともあるかもしれませんね。
2009.09.08 12:48

無題 - yoshimi

こんにちは。ポリーニがこの曲を録音した当時は、前衛的な音楽がまだ力を持っていた頃でしたから、その時代の潮流にあったドライなタッチですね。今のポリーニなら、こういう風には弾かないような気がします。
この録音を聴いてシェーンベルクは合わないと思いましたが、最近聴いたピーター・ヒルの録音は、クールな叙情感がとても美しいシェーンベルクです。これでシェーンベルクのイメージがすっかり変わりました。
もっと饒舌な演奏がよければ、内田光子も面白いですね。特にピアノ協奏曲の演奏は、オケ(ブーレーズ指揮クリーブランド管)との掛け合いも絶妙で、とても聴きやすいと思います。
2009.11.09 Mon 00:01 URL [ Edit ]

Re:yoshimiさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

はじめまして。
70年代のポリーニの迫力たるやすごいものでした。このシェーンベルクも透徹した響きがたまりません。シェーンベルクのピアノ曲をこの演奏しか知らないので比較しようがないのですが、このような強靭なタッチをこれ以上に発揮できる演奏はなかなか想像にしくいものがあります。
ピーター・ヒルというピアニストを知らなかったので覚えておきます。シェーンベルクのピアノ曲は奏者にとってはあまりおいしい曲とは思えないので、あえて録音するということは強い思い入れがあるのかもしれませんね。
2009.11.09 22:25
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