ユージン・イストミンのピアノで、珠玉のピアノ曲集を聴く(1960年~1968年の録音)。
このボックスの最後の1枚。全ての曲が、世界初発売。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」~1楽章
ショパン:夜想曲第5番嬰ヘ長調
ショパン:英雄ポロネーズ
ドュッシー:「亜麻色の髪の乙女」
ドビュッシー:「月の光」
メンデルスゾーン:無言歌「5月のそよ風」
シューベルト:即興曲 Op.90, D.899~2番、3番
ストラヴィンスキー:ピアノ・ソナタ
「テレーゼ」とストラヴィンスキー以外は抜粋であるが、演目は色とりどり。ドイツ、オーストリア、フランス、ポーランド、ロシアのピアノ音楽が楽しめる。
イストミン特有のやや硬いタッチはクリスタルのように透明感があり、冬の青空のように見通しがいい。テクニックは万全であり、いささかの揺るぎもない。テンポの変化はほとんどないが、要所で強弱の按配を変える。それがとても効果的で、今もって新しく感じる。
カザルス、ブッシュを始め、オーマンディ、スターン、ローズたちから大きな信頼を得ていた理由がわかる。
全ての演奏が素晴らしい。せめて、「ベルガマスク組曲」くらいは全曲を遺して欲しかったと思うし、また「英雄ポロネーズ」みたいな昔からよく聴いている曲がとても新鮮で素敵だった。
屋根の上のパーティ。
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