ヤノヴィッツのソプラノ、カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で、R・シュトラウス「4つの最後の歌」を聴きました(1972-73年、ベルリン、イエス・キリスト教会での録音)。
宇野功芳をあまり好まないけれど、ときどき我が意を得たりと思うことがあります。それがこれ。
ヤノヴィッツの瑞々しく澄み切った歌声は天空高くに飛翔するかのようだし、愁いを湛えた情感にシュトラウスが経験し得た生の厚みのようなものを感じないわけにいかない。
カラヤンのオーケストラは豪奢なうえに精緻。この指揮者はたまに手抜きをしている演奏もあるのだけど(思いつくところでは、チャイコフスキーの交響曲1番)、ここではひどく慎重に取り組んでいると思われます。ヤノヴィッツにそっと寄り添って、いわゆる人生の落日をほの赤く染め上げていて素敵。
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このヤノヴィッツ盤はとてもいいですね。ドイツの自然に溶け込む、なるほどです。この曲で世評が高いディスクにシュヴァルツコップフとセルの演奏がありますが、シュヴァルツコップフの声がいくぶん古めかしく感じます。
チェリビダッケのエピソード、面白いですね。ゴビ砂漠の春! ノーマンのCDも聴きましたが、おっしゃるように野性的な味わいがあって素敵だったと記憶します。