安藤赴美子のミミ、園田隆一郎指揮 新日本フィル他による、NISSAY OPERA 2021『ラ・ボエーム』公演に足を運びました(2021年6月12日、日生劇場にて)。
これは2017年の再演。指揮者とオーケストラと演出は同じだけど、歌手は異なる布陣。日本語による上演。
演出はコロナ対策であろう、初演とはいささか趣きを変えていました。2幕において群衆はみんな舞台裏で歌ったり踊ったり、それを主人公たちは窓から眺める、といった設定。違和感はなく自然に物語に溶け込んでいたと思います。
歌手はロドルフォが一頭地を抜いていたように感じます。繊細にコントロールされた高音は輝かしく、情感も豊か。ラストは涙腺が緩みました。
彼はその歌唱をもって、福井さんの牙城を切り崩しつつあるのではないだろうか?
オーケストラは躍動感たっぷり。とくに前半は、若者たちの生き生きとした演技と相まって、心躍るような音楽を奏してくれました。いつも園田さんのイタリアものは充実している。
とても楽しい110分を過ごすことができ、感謝。
ミミ:安藤 赴美子
ロドルフォ:宮里 直樹
ムゼッタ:横前 奈緒
マルチェッロ:今井 俊輔
ショナール:北川 辰彦
コッリーネ:デニス・ビシュニャ
ベノア:清水 宏樹
アルチンドロ:小林 由樹
パルピニョール:工藤 翔陽
合唱:C.ヴィレッジシンガーズ
演出:伊香 修吾
訳詞:宮本益光
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