高関健指揮 新交響楽団の演奏会に足を運びました(2021年10月31日、東京芸術劇場にて)。
ワーグナー 「リエンツィ」序曲
「タンホイザー」序曲
ブルックナー 交響曲3番
当初予定されていた飯守泰次郎さんが急病のため指揮者が交代になりましたが、演目の変更はなし。どのくらいリハーサルをできたのかわかりませんが、高関さんの眼差しは細部にまで行き届いており、力強くオーケストラを統率しているように感じられました。
ワーグナーを実演で聴くことは、ジンセイのなかで小さくない喜びのひとつ。それが序曲や前奏曲であったとしても。
バリッとメリハリを利かせた音づくりは高関流。どちらかといえば色気よりも豪奢さを強調したようで、もちろんこれはこれで一興。
カロリーたっぷりのコッテリ味に、大いに舌鼓みを打ちました。
後半はブルックナー。
3番という曲は、途中まではところどころ、どうもまとまりが弱い感じがするし、漠然とした印象を受けてしまうことが、これまで多かったのです。
でも、4楽章はいい。金管楽器の咆哮の腹持ちのよさ、それに対してヴァイオリンで奏される主題はなんともチャーミング。これらが交錯しつつ徐々に熱を帯びていって、最後はものすごい音圧でもって締めくくられる。背筋が痺れました。鬼気迫るようなヴィオラはすごかったなぁ。
我慢した人は少なくないと推察するのだけど、指揮者とオケにブラボーを進呈したかったと、シミジミ思います。
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当初は飯守さんの予定だったのですが、急病のため公演の2日前に高関さんに白羽の矢が立ち、たまたま空いていたとのことです。高関さんのブルックナーを聴くのは初めてでしたが、堂々たる出来栄えで、とても代打の仕事ではないとしみじみ感じました。
5番は確か、今年のシティ・フィルの定期で演奏されたのですが、平日だったので断念しました。でも、評判はとても高いものでした。
まだ7,8を聴いていませんが、近々は9ですか。
聴かないわけにはいかないナ。