柴田真郁指揮 日本フィルのコンサートに足を運びました(2019年3月19日、東京芸術劇場にて)。
モーツァルト 「フィガロの結婚」序曲
エルガー チェロ協奏曲
ベートーヴェン 交響曲6番
目当ては宮田大さんのチェロ。
こう言っては失礼だけど、まさかこれほどいいとは。なんの引っかかりもないほどに技術は卓越しているし、フレージングの呼吸も深々としている。そしてなんといっても、なめらかで馥郁たる香りが立ち昇るかのような音色が素晴らしい。硬すぎず柔らかすぎない高貴な音はホールを満たし、それに包まれたささやかな時間は幸福でした。
昔に聴いたマイスキーよりも良かったと友人に話したら「それは言い過ぎ」と窘められました。でも、本当です。
柴田さんの田園は、オーソドックスなスタイルのなかに、ときおり強弱の変化をおりまぜており、それが上品なスパイスとなっていました。
日フィルは管が良かった。フルート、クラ、オーボエによる2楽章終わりの鳥のさえずりの場面では夢心地。ホルンも冴えていた。
弦はやや粗い感じ。アンコールのG線上のアリアで、ようやくみずみずしい響きを聴かせたが、時すでに遅し。
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