湯浅卓雄指揮 新交響楽団の演奏会に足を運びました(2023年1月14日、東京芸術劇場大ホールにて)。
別宮貞雄:管弦楽のための二つの祈り
別宮貞雄:第3交響曲「春」
ウォルトン:交響曲1番
以下は別宮さんの生前の言葉です。
「現代音楽のわかりにくさは人間の予知能力を無視したことによる由縁で、わからなくても慣れればわかる、ということではなく、本当にいいものはすぐにわかる」
予知能力を無視とは、心身に適わないということか?
この2曲はたぶん初めて聴きました。
それぞれ1956年と1981年の初演なので、現代音楽の括りに入れても、おかしくはないでしょう。
とくに面白かったのは交響曲。面白く聴けることがわかることであるならば、まさに「すぐわかる」。雰囲気はハリウッド映画の音楽のようでもあり、でももっと複雑。終楽章の行進曲のメロディーは、聴いた後もしばらく脳裏を駆け巡りました。
後半はウォルトン。これは聴いたことがあります。
初演は1935年だけど、味わいは別宮作品に似ていて、さらに洗練させたような曲。けれども長い。エルガーとかヴォーン・ウィリアムスとか、どうしてこの時代のイギリス人のシンフォニーは大作揃いなのだろう。
4楽章、2名によるティンパニの強打によって、前に座っていた何人かが叩き起こされたようで、打楽器の多彩さも別宮作品に似ていると思いました。
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