忍者ブログ

東京ルフトアンサンブル演奏会

2012.04.08 - 演奏会
to


かねてから楽しみにしていた東京ルフトアンサンブルの演奏会に行った。
演目は、シューマンの第4交響曲とブラームスのドッペル。どっしりとしていて、かつピリッと締まったいいプログラムである。

ただ、残念なことに後半しか聴くことができなかった。
行きの電車でトラブったのだ。

ホールの最寄の航空公園駅へは、本川越から西武新宿線の上り電車に乗っていくというルートであった。20分くらい乗ることがわかっていたので油断をし、2駅目を過ぎたあたりからウトウト、というより一気に夢の世界に突入してしまった。
そして、気がついたら西武新宿駅。
たまげた。
もう前半には間に合わないとはいえ、新宿にいても仕方がないので、同じ電車で戻ることにした。
いくら無料のコンサートとはいえ、また桜咲く春ウララの好天気とはいえ、気を緩めるのもたいがいにしないとな。


ブラームスの編成は、ヴァイオリンが3プルト、コントラバスが2丁という、比較的小さいものだった。ただ、今はやりのピリオド奏法によるものではなく、昔ながらというか、ヴィヴラートをきかせたモダンなスタイルをとる。
指揮者は置かないので、いわばオルフェウス室内管のようなイメージのオケである。いくら小編成とはいえ、ブラームスを指揮者なしで演奏するのは、けっこう珍しいことだと思う。
アンサンブルはどうかという懸念はあったが、危なげはなかった。むしろヴァイオリン群を軸に、丁寧に抑揚をつけたいい演奏と言える。

チェロのソロは、ふくよかで厚みがあって、いい音を出していた。音がぐっと重い。チェロはこうでなくちゃ。
ヴァイオリンは、線を細めにとって、鋭角的なもの。特段きれいな音というわけではないものの、表情を豊かに弾き分けていた。まろやかなチェロとは対照的だったように聴こえた。
ふたりは、ともにルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーとして顔を出しているそうな。

ミューズアークホールで聴くのは初体験。今日は1階の後方に座って聴いたが、見晴らしもよいし、音もよく響いていた。
全体のフォームといい、残響の多さといい、すみだトリフォニーに似ているようだ。また行ってみたい。


航空公園駅前にて。

hi




2012年4月8日、所沢市民文化センター、ミューズアークホール。
PR
   Comment(2)    ▲ENTRY-TOP

Comment

選曲が良いですね - yoshimi

シューマンとブラームスの曲は、どちらも好きな曲です。
シューマンのピアノ曲は苦手ですが、なぜか交響曲とコンチェルトはかなり好きです。
第2番は別として、情緒不安定なところが少ないからかもしれません。
第2番は、シノーポリの最初に録音した精神分析アプローチ的演奏が刷り込み状態になっているので、気楽には聴けなくなりました。

ブラームスの二重協奏曲も名曲ですね。ヴァイオリン協奏曲の方が人気がありますが、それ以上に好きな曲です。チェロとヴァイオリンが両方聴けるという贅沢なところが良いです。
この曲を(というかブラームスを)指揮者なしで演奏するというのは珍しいでしょうね。
何枚かCDは持ってますが、名だたるヴァイオリニストとチェリストの顔合わせになると、録音が少なくなりますね。
初めて聴いたのは、マイスキー&クレーメルでバーンスタイン指揮のDG盤です。この3人が演奏していればだいたい想像がつくとおり、感情移入たっぷりでテンション高かったです。
2012.04.09 Mon 23:44 URL [ Edit ]

重いけど短いプログラム - 管理人:芳野達司

といいつつ、シューマンは聴くことができませんでした・・・。
2番はシノーポリですか。ウイーンとのものですか。好きな演奏です。あれを聴いてしまうと、他の演奏がどうもピンとこないんですよね。ドレスデンとのものもありますが、あれはウイーンとはどこか違います。

二重協奏曲は、最近になって馴染んできました。なんとも重厚ではありますが、ブラームスの色がよくでている曲なんだなあと思います。
マイスキーとクレーメルのはいいですね。一度生で聴いたことがあります(そのときの指揮はヤンソンス)。
この演奏会の前に、シュナイダーハンとシュタルケルの演奏で予習をしました。こちらは、いくぶん軽めの響きです。
2012.04.10 06:47

シノーポリ、セル - yoshimi

私がいつも聴くのは、シノーポリ&ウィーンフィルの2番です。
シノーポリの演奏は特異な解釈ですね。ライナーノートは精神分析の本を読んでいるみたいです。
あの独特の解釈が聴き手に理解できるほどに、実際に演奏として表現されているところが凄いです。

二重協奏曲は、マイスキーのチェロが、いつもながらどっぷりと感情移入されているので、私にはちょっと暑苦しいところはあります。
シュナイダーハンとシュタルケルはYoutubeで聴きましたが、線が細めの高い音色ですっきりしていますね。フリッチャイの伴奏も流麗なのでよくマッチしている気がします。

オイストラフ&ロストロポーヴィチも名盤なので聴いてみましたが、ソリストよりも、セルの伴奏の方がなぜか気に入ってしまいました。
セルのブラームスの交響曲はちょっと味気ないところもあるのですが、ドッペルの方はすっきり切れ良く引き締まって、質実剛健という感じがします。
2012.04.10 Tue 12:13 URL [ Edit ]

同感でございます! - 管理人:芳野達司

シノーポリ&ウィーンフィルの2番は最高です。
最初に2番のよさを知ったのがこの演奏ということもあるかもしれません。ですが、その後わりといろいろな指揮者の演奏を聴いてきて、やはりシノーポリ盤が最もしっくりくるのです。
特に好きなのは、1楽章の主題に入るところです。切れ味の鋭いリードとウイーンの柔らかい弦とのマッチがなんとも言えない・・・。

そうそう、シュナイダーハンとシュタルケルのは、さっぱりしていますよね。ああいうブラームスもなかなかいいなあと思います。
といいつつ、セルのシンフォニーが味気ないというのも、うなづけるんですよ。伴奏の方が面白いように、私も感じます。
2012.04.10 18:43
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー