東京シティ・バレエ団、大野和士指揮 東京都交響楽団の演奏で、「白鳥の湖」の公演に足を運びました(2018年3月4日、東京文化会館大ホールにて)。
バレエ音楽の全曲を大野さんが初めて振ることに加え、藤田嗣治の作品が美術に携わっていることが注目の公演でした。
大野さんは昨年の第九で披露したような、キビキビとした音楽を作るのかなと予想しましたが、果たしてそうでした。
藤田を受け継いだ舞台はシックで重厚なもの。シンプルなのに、というかシンプルだから存在感があったというべきか。パステル調の衣装とのコントラストが面白かった。
踊り手はいずれも素晴らしかった。とりわけオデットの、天空を舞うような高さと軽さに感銘を受けました。
マスでの揃いかたも見事。普段どれだけ鍛えているのかと想像して、背筋が痺れました。
大野さんのオーケストラは、まるで金細工をこしらえるかのように丁寧に強弱の変化をつけた。強い部分はときおり硬く濁ったものの、ピアノ・ピアニシモは陶然となるところがいくつかありました。バレリーナとのタイミングは完璧に近かったと思います。
「白鳥の湖」はこれまで何度か観ましたが、今日の公演はもっとも印象に残るものになりそうです。
オデット:中森理恵
ジークフリード王子:キム・セジョン
王妃:高木糸子
道化:岡田晃明
ボルフガング:青田しげる
パ・ド・トロワ:岡博美、大内麻莉、中弥智博
大野和士指揮 東京都交響楽団
芸術監督/安達悦子
演出・振付/石田種生
演出(再演)/金井利久
演出助手/中島伸欣
美術/藤田嗣治
照明:足立恒
衣裳:小栗菜代子
衣裳製作:工房いーち
パースのビッグムーン。
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