アルバン・ベルク四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲4番を聴きました(1980年6月、スイス、セオンでの録音)。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、比類のない高みに到達した後期の作品もさることながら、脂の乗り切った中期、そしてこの4番を含む瑞々しい初期のものも素晴らしい。
この曲は初期の6曲のなかで唯一短調の音楽。雄渾にして悲劇的な色調は、のちの中期あるいは後期への入り口が開かれているかのようです。
アルバン・ベルクSQの演奏は、スピーディで切れ味がいい。全体を通して、とてもいきいきとしていて、気持ちが浮き立つような音楽を奏でています。
この四重奏団は、個々の技量は高くて優秀なのですが、合奏になると音が濁ることがあるように感じます。この全集にもそれが出ていて、結果として出来にムラがあるように思いますが、これはよかった。
パースのビッグムーン。
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