坂入健司郎指揮 新交響楽団の定期演奏会に足を運びました(7月18日、東京芸術劇場コンサートホールにて)。
バーバー:管弦楽のためのエッセイ2番
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
ドヴォルザーク:交響曲9番「新世界より」
坂入さんの演奏を聴くのは5年前の東京ユヴェントス・フィル以来。あのときは「イタリアのハロルド」が爽快だったことをよく覚えています。
若い方だから、5年は長かろう。そして、オーケストラの技量は今回のほうがずっと高い。どんな進化をしているのか、期待しました。
3曲に共通するのは、弦楽器の厚み。とりわけ印象に残ったのは、ドヴォルザークの4楽章でヴィオラを、そして同じ楽章の最後のほうで第一ヴァイオリンをガリガリギリギリ鳴らせているところ。とくに前者はCDでの視聴ではあまり気づかないところ。このように弦のパートを強調し浮き立たせることによって、全体の響きが立体的になるように感じました。結果として、音楽のスケールが大きくなる。
もうひとつは、アッチェレランドに凄みがあること。それだけだと単に感情的と云われかねないけど、彼のスピードは前後のテンポや強弱の兼ね合いができているので、いたって自然に聴こえるのです。
そんなわけで、じっくりと手間ひまをかけたご馳走を鱈腹いただいた気分。お腹いっぱいになりました。
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