雨上がりの日曜日、錦糸町へ行く。
ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲
バルトーク 管弦楽のための協奏曲
前半、後半ともコントラバスが10台。ベルリン・フィル並みの編成である。これは、指揮者の指示なのか、はたまた。
ルトスワフスキは四管編成に加えて、たくさんの打楽器が登場する。最初にティンパニと大太鼓の打撃から、めくるめく音響世界が繰り広げられる。この曲を生で聴くのは初めてだから楽しみだった。
静かな場面と激しい場面がかわるがわる交錯し、聴く方はだんだんと耳の感覚が麻痺してくる感じ。ただ、これは交響曲もしくは交響詩というべき作品なのかもしれない。協奏曲というには、個人技の聴かせどころが少ないようだ。
休憩後はバルトーク。
これを聴くと、ルトスワフスキとの違いが明瞭になる。1楽章から、木管楽器や金管楽器の聴かせどころが満載。ことによかったのは2楽章。フルート、オーボエ、コーラングレ、ファゴットと木管が続くあとに、ホルン、トランペットが荘重に鳴らすところは、実にうまいし、曲としてもやはり、とんでもなくよくできた音楽なのだということを感じた。
この楽章ひとつとっても、ルトスワフスキとの格の違いが明らかになった。
3楽章もよかったが、4楽章ではホルンとトランペットが崩壊した。残念。
5楽章は、うまくまとめた。ラストに向かっての盛り上がり作りを難なくこなし、壮大なフィナーレを築いた。
指揮者は、橘直貴。とても積極的なリードである。難曲のバルトークに対し、またアマオケ相手でありつつ、細部に拘った解釈をみせた。時には呼吸深くテンポを落として、広がりのある音楽を作っていた。終楽章で弦楽器がキザんでいるところで、ホルンの重奏が聴こえるところは、ハッとしないわけにはいかなかった。いままで大御所たちの演奏でも聴いたことがなかったからだ。
この指揮者は、注目するに値する。
2014年11月9日、すみだトリフォニー・ホールにて。
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