チョ・ソンジンのピアノリサイタルに足を運びました(2022年8月25日、東京オペラシティ・コンサートホールにて)。
ピアノを聴いて久々に衝撃を受けました。
天空を舞うような軽やかさ。流れになじんだ強弱。乾いた風のようなスピード感。真冬の青空を思わせる響き、そして目覚ましいテクニック。
ピアノの技巧に関しては、いつも70年代のポリーニを引き合いに出してしまいます。ソンジンさんは同等くらい、かつ柔らかなニュアンスを常にまぶしているところがニクい。
このリサイタル、ブラームスとシューマン目当てでしたが素晴らしかったし、ヘンデルも、アンコールのショパンもよかった。どれもみずみずしい情感に溢れていました。
残念だったのは、シューマンで遺作の5番が弾かれなかったことくらい。
30分以上続いたアンコールは徐々に熱気を帯び、最後は多くの観客がスターティングオベーションをしていました。
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