アルトゥール・ルービンシュタインのピアノで、ショパンの「幻想ポロネーズ」を聴きました(1964年3月の録音)。
昨年のこの時期に「幻想ポロネーズ」の実演を聴く機会があったため、いくつかの演奏をまとめて聴きました。でも、それぞれいいところはあるのだけれど一長一短で、これぞというディスクを見つけるに至りませんでした。
この曲は、穏やかな部分が多くて、内省的なんですね。そういう叙情的なところと、ときおりバーンと爆発するように強く弾く箇所とのコントラストに妙味があるのだけれど、そのふたつが矛盾しているような感覚に、私は陥ります。
とても難しい曲。
そのあたり、ルービンシュタインはうまいこと捌いています。湖のようにたっぷりとした質感があり、抑揚は清流のように自然で、滝のような迫力もある。全体を通して、静と動とのふたつのテーゼを精緻に組み立てて止揚したよう(言葉遊びです)。
見事な演奏だと思います。
パースのビッグムーン。
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