指揮者の岩城宏之さんが、本日に亡くなったことを、
他の方のブログ記事で知りました。
慎んで御冥福をお祈り致します。
小生が彼を知ったのは30年くらい前。
コーヒーのコマーシャルで見たのだ。
そのCMでは、彼がチャイコフスキーの「悲愴」交響曲の
第1楽章を演奏しているシーンを流していた。
例の、弱音の「P」が6つもある、静寂なところから、
いきなり大音響が炸裂する部分である。
汗みどろになって棒を振る姿が、カッコよかった。
この音楽を知ったのも、それが初めてだった。
さすが、「違いのわかる男」である。
彼の演奏を何回聴いたかなと、棚をゴソゴソ探していたら、
プログラムがあった。
東京フィルと2回。新日本フィルと1回。
演奏の細かいところは覚えていないが、正攻法かつ手厚い響き
を目指した演奏だったと記憶する。
アンドレ・ワッツとのブラームスほか堀込ゆず子とのモーツァルトほか ※写メールで撮った初めての作品。ぼやけて恐縮です※新日本フィルの定期演奏会では打楽器奏者としても出演していた。
バルトークの「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」。
客席を向いて演奏するため、彼の真摯な表情を見ることができて、
それが印象的だった。
当時はこの曲を知らなかったので、演奏についてはほとんど覚えて
いない。
ただ、後半の「カルミナ・ブラーナ」はすごかった。
金管楽器は急速なリズムにキレがあり、合唱は野趣たっぷりの大迫力
演奏だった。技術的なミスが見当たらなかったため、同行した友人と
「『カルミナ』は演奏が簡単なのかねえ?」などと話したことを
思い出す。
昨年からだったか、大晦日の晩にベートーヴェンの交響曲全曲を
演奏するという、常人を超えたパワーを発揮していただけに、
急な訃報には驚いた。
ベートーヴェンの全曲、行きたかったなあ。
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