今年はろくに仕事をしなかった代わりに、わりとたくさんの本を読むことができた。
記憶に残るであろう1年であった。
「深夜プラス1」(ギャビン・ライアル(菊池光訳))
クールでタフな主人公のセリフがなんともカッコいい。読んでからだいぶたつが、ひとつひとつのシーンを鮮明に思い出すことができる。
「この世の全部を敵に回して 」(白石一文)
白石をみつけたのは今年の収穫。出来にムラがあるが、これは代表作のひとつと言えると思う。厭世的な主人公がみた仄かな光の味がいい。
「プロ野球最強のベストナイン」(小野俊哉)
数字と時代背景に裏打ちされた選出はひとつの見識。選考過程がじつにおもしろい。
「悪霊」(ドストエフスキー(亀山郁夫訳))
人間の心情・行動のわけのわからなさが、宗教や民族を超えて迫りくる。ことにスタヴローギンの独白のくだりはわけがわからずとも、なんともいえぬ迫力に満ちている。
「これで古典がよくわかる」(橋本治)
古典はやっぱりよくわからないという安堵の気持ちにさせられる。
「自省録」(マルクス・アウレーリウス(神谷美恵子訳))
朝起きて仕事に行かなければいけないということは、古代ローマ時代から言われていたのだな。
「菜根譚」(洪自誠(守屋洋訳))
説教臭いが、これから何度も手にすることだろう。
「これからの「正義」の話をしよう」(マイケル・サンデル(鬼澤忍訳))
カントを絶賛している。で、すぐさま「道徳形而上学原論」を購入したが、案の定、5ページ目で止まっている。
「短編集」 (サキ(中村能三訳))
ブラックな味がほろ苦い。海外モノ短編集としてO・ヘンリやチェーホフとともに必読。
「哲学からのメッセージ」(木原武一)
今年、一番繰り返し読んだ本。
2011年2010年2009年PR