バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏で、ヴィヴァルディの「四季」を聴く。
この曲を最初に聴いたのは、中学校での音楽の授業でだったと思う。イムヂチ合奏団でヴァイオリンはフェリックス・アーヨ。ステレオのほうだったろう、たぶん。
LPを買ったのも、この合奏団のものだった。ただし、ヴァイオリンはロベルト・ミケルッチ。アーヨに比べると、切っ先が鋭いヴァイオリンだと思った。
その後、「四季」を図書館でLPを借りたりFMで聴いたりとしてきた。なかでは、アーノンクールとウイーン・コンツェルト・ムジクスの演奏には衝撃を受けた。なんなんだ、このテンポと肌触りは。今まで聴いたものとは、全然違う。これがイムヂチと同じ「四季」なのだろうか? 今思えば、それは古楽器ブームの先駆に位置づけられるようなものであったし、そういうものを初めて聴いたので驚きが大きかったわけだ。
などということを、つらつらと思いだしながらバーンスタイン盤を取り出す。
出だしの切れ味の鋭さに快哉を叫びそうになる。弦楽合奏が軋んでいる。なんて生き生きとしていることか! が、このあとがさらにスゴイ。チェンバロが異様に雄弁なのである。ヴァイオリンと同じくらい、曲によってはヴァイオリンよりも目立っている。今まで聴いたことのないフレーズがどんどん飛び出す。これは通奏低音という枠にはまらない。ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲と名付けてもいいのではないか。
ただ、それがあまり嫌味ではないところに、バーンスタインのセンスの良さを感じる。前面に出るところはしっかりと出て(春の1楽章、春の3楽章、夏の1楽章、秋の2楽章、冬の2楽章)、抑えるところはぐっと抑える。
これは、アーノンクール盤とは違う意味で、新鮮な演奏。
ヴァイオリンはジョン・コリリアーノ。音そのものは特段きれいではないが、芯がしっかりしていて、勢いがある。
1963,64年、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。
秘密の入り口。ここを入ると。。。
こうなっている。
ご迷惑をおかけしております。重版の交渉をしています。
「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR