アーヨのヴァイオリン、イ・ムヂチ合奏団の演奏で、ヴィヴァルディ「四季」を再び聴きました(1959年5月、ウイーンでの録音)。
清涼感を求めて。
この曲を初めて聴いたのは中学の音楽授業。その演奏がアーヨだったことは、合奏団とともに少し変わった名前だったから覚えていたのでしょう。
後日、これを購入しに秋葉原の石丸電気に赴いたのだけど、同じイ・ムヂチでもミケルッチがヴァイオリンを弾いたものは、楽譜つきのLP。少し迷いながらも楽譜つきにしました。
家に着いてさっそく聴いてみると、中学校で聴いた演奏とは違う。だいぶ。こちらはエッジが立っているというか、鋭角的。最初は違和感があったけれど、繰り返し聴いているうちに、これも一興だと感じるようになりました。
思えば、これがいわゆる「同曲異演」の楽しみを知る最初の出来事になったのかもしれません。
さてアーヨ。「春」の冒頭から、たっぷりとレガートを利かせていて、ロマンの香りが濃厚に立ち上ってくるようです。弦楽器の艶のある音がこよなく美しい。「冬」の2楽章のピチカートが、まるで粉雪のように軽やかで、体感温度が2度くらい下がりそう。
全体を通して、チェンバロを控えめにして、弦の流麗さを強調していることが、この演奏のひとつの肝ではないかと思います。
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