カラヤンBPO/モーツァルト「リンツ」「音楽療法」というものがある。
以前から、少し気にしていたが、まともに読んだことはない。
本屋でパラパラとページをめくると、なんだか小難しそうな雰囲気があったからである。
「音楽」とはいえ、「療法」なのだから医学に首を突っ込んだジャンルである。難しいのは仕方がない。もっとも、音楽だって楽典の本は小難しいものだ。
しかし、「音楽療法」って、ホントに使えるのかな?
それがたとえ科学的に証明できないとしても、それが信頼できない原因とはならないのだが、なんか、楽をして体や心を直すなんてことの都合良さがどうもひっかかる。1冊たりともまともに読んでいないので、こんなことをいうのは恐縮であるが、世に出ている本を眺めていると、特にモーツァルトはいいとされているようだ。胎教には断然モーツァルト!
モーツァルトを聴けばアタマが良くなる!
本当なのかなあ?
何故こういう疑問を持つかといえば…。
どうして私はこんなに愚かなのだ!
と大声で言いいたいわけだ。
そりゃ毎日モーツァルトを聴きながら育ったわけではないが、週に1、2曲はこっそりと聴いているので、日本人の平均点を上回ると思っている。
本人の資質が決定的に悪いと言われれば、グウの音も出ないが…。
そういう資質を問われると何も言えないので、ちょっと考えをかえよう。
もしかしたら音楽には、食べ物と同じように、食い合わせ、ならぬ聴き合わせというものがあるのだろうか?
「ジュピター」を聴いた後にチャイコフスキー、ことに「悲愴」なんかを聴くと、体に良いどころか、かえって気分を悪くするとか。
「火の鳥」の次に「ピアノ協奏曲第17番」を聴くと腰が痛くなるとか。
音楽療法という治療が有効であるとすれば、逆に作用するものもあるはずである。
ヒトにとってマイナスになる音楽の組み合わせもあるのではなかろうか。
そんなことを考えていると、なにが良くて何が悪いのか、いや、考えなくても全然わからない。
それにしても、気になる「音楽療法」。
これを極めれば、すごく楽しい人生が開けるのだろうか?
でもやっぱり、読まないだろうなあ。
カラヤンの「リンツ」。
大編成のモダン楽器で迫りまくる。なにもかもが分厚く武装されたような音である。
豪奢な柔らかい音でお腹一杯。これなら、コンサートのトリでも充分だ。
エッシェンバッハの弾くソナタとこれではあまりに佇まいが違うが、音楽療法的にはどうなのだろう?
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