メンデルスゾーン 交響曲3,4番 クレンペラー指揮フィルハーモニア管回鍋肉。肉の下ごしらえをすることで中華料理屋の味が再現できる…かな。
1.豚バラ肉のかたまりを1時間くらい茹でる。
2.取り出した豚バラ肉に醤油をひたす。
3.醤油をひたした豚バラ肉を素揚げする。
4.中華なべでキャベツ、長ネギ、ピーマンなどを炒め、適当に切った肉を投入。
5.塩、胡椒、醤油、ラー油で味付けして完成。
回鍋肉は本来甘辛い味噌で味付けをするが、こうして肉に味をしみこませておけば、あとは塩コショウだけでも奥深い味になる、ような気がする。
下ごしらえがちょっと手間だけど、手をかけただけのものはあるんじゃないかと自己満足にひたる。
クレンペラーのメンデルスゾーン。
世評は「スコットランド」のほうが高いようだけど、個人的には「イタリア」がいい演奏じゃないかと思う。
冒頭のピチカートが「ポン」とバッチリ決まっていて、もう、この部分だけでその後の質の高さが保証されたような手ごたえを感じる。
贅肉の少ない、キリッと引き締まった響きが禁欲的な感じを受けるうえに、各楽器の鳴らし方がじつに朴訥で色気がない。なんというか、とても浮世離れしているのだ。1楽章のラスト近くで現れるクラリネットとか、スケルツォでのフルートなんか、偉い坊さまの説教みたいに謹厳なのだけど、それが堅苦しくなくて、とても説得力をもって耳に入り込んでくる。
対抗配置にしているせいか、低弦が抑えられていて、全体に腰は高い。なので、軽やかな足取りだし、テンポも速めに進んでゆくのだけど、陽光眩しいイタリアのイメージとはちょっと違う。
どこの国の空だろう。
軽快だけど、禁欲的。不思議な味わいのある演奏である。
1960年2月、ロンドンでの録音。
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