マーラー 交響曲第5番 シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団白石一文の「もしも、私があなただったら」を読む。
これは、東京の大手繊維会社を中途退職し、そのついでに離婚して故郷の博多でバーを営む中年男の恋を描いた小説。
独身男の孤独とやるせなさ、そして性欲がじわじわと伝わってくる。
それを淋しいとみるか気楽とみるか。中年男の、余生に対する姿勢のモンダイである。
今の私は、前者をとるかな。なんだかんだ独り身は淋しい。結婚して不自由を感じるのは、おもに子どもが大きくなるまでの間だ。時間的にも経済的にも、けっこうな苦労を伴う。
でも、それ以降はけっこう自由なもの。音楽三昧、読書三昧、旅行三昧・・・まだわからないのだけど、そんなものじゃないのかな。
ただ、子どもが育つまでが長いけどネ。まだあと少なくとも4年か。
迫りくる老いを感じつつ、シノーポリのマーラー「5番」を聴く。
それぞれの音の分離はあまり明快ではないものの、ふくよかで色彩感が豊かな演奏だ。
なかでも印象に残ったのは終楽章。ときどき顔を出すデフォルメがしっくりくる。やや神経質ではあるが流れは太く、最後はガツンと決めている。
終楽章に向けて焦点を合わせるタイプの演奏というよりは、結果としてこの楽章が優れているように感じた。
フィルハーモニア管の、金管楽器の鮮烈な響きが効果的。弦と木管はマアマア。
1985年1月、ロンドン、オール・セイント・チャーチでの録音。
体調不良が理由で、5年間勤めた会社を退職した。
しばらくはブラブラして、落ち着いたら再就職をしようと思っている。
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