マーラー 交響曲第8番 クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィル、合唱団、テフィン児童合唱団 他先週末は花見日和だったけど、今週に入ってからはまるで冬に戻ったような寒さである。
今日に至っては都心に雪。この時期に雪が降るのは過去にもあったような気がするけれど、暖冬と騒がれていた今年にまさか降るとはちょっとビックリ。
そして、雷雨。ちょうど外を歩いているとき、ゴロゴロ鳴り始め、やがて大雨となった。
ライヴで雷雨。
…。
マーラーの交響曲の中で最もニガテなのが、8番である。とりつく島がないほど、巨大で威圧感があり、聴き始めるのにかなり覚悟がいるのだ。
そこで先週からIpodでこの曲を聴いているのだが、やはり私にとっては難関。第1楽章は問題ない。
冒頭の重厚なオルガンの響きから、ラストの大波小波押し寄せる壮大なクライマックスまでを一気呵成に聴きとおすことができる。
それに比べ、第2楽章は難しいし、渋い。渋すぎる。というか、電車の中だと大半聴こえない。
それではイカンと思って、第2楽章だけを改めて家で聴いてみたが、やはり渋いのは変わらない。
でもじっくり聴くと、最初から最後まで静謐で簡素で、さらにいえばうっとりするようなメロディーに溢れている。それは50分以上続くわけだ。
どういう形式で書かれているのか私にはわからないが、この長さがとっつきづらさの主要因であり、CDが売れない原因のひとつではないかと思う。それに「一千人」というニックネームからくる印象と、第2楽章の内容とが激しく乖離しているということもある。
曲そのものは全然悪くないし、むしろマーラーの交響曲のなかでも最も荘厳さに溢れた音楽といってもいいかもしれない。
テンシュテットの演奏は良い。ひとつひとつのフレーズを丁寧に扱っていて、それが細部まで鮮明に聴こえる。静かな部分ではしっとりとした佇まいに詩情を感じるし、独唱も素晴らしく、それぞれの楽章のフィナーレでは、雪景色の中を疾走する蒸気機関車のような重厚なパワーが炸裂している。
EMIの録音はパイプオルガンをメインに低音をよく捉えている。レヴェルが低いので、ボリュームのつまみを通常の1.5倍くらいに合わせるといいみたい。PR
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
8番はニガテだったのですよ、今まで名盤の誉れ高いショルティ盤を聴いていましたが、ピンときませんでした。曲のせいか演奏のせいか自分の聴き方のせいかよくわかりません。今回、テンシュテットで久々に聴いてみたところ、意外と面白く聴くことができました。
まあ、第2部が長く感じることには変わりありませんが。この曲、聴いていると交響曲であることを忘れます。
改めてショルティ盤、そして他の演奏も聴いてみようかという気になっています。
2007.04.04 22:15
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
マーラー8番の第二部は難解ですね。ここ最近聴きこんでいるので、ようやく面白くなってきたところです。テンシュテット盤は、名演だと思います。
クーベリック、聴いたことがないので気になります。近々聴いてみようと思っていました。
ゲーテの「ファウスト」も、第2部(でしたか、後半の部分)は大変難しく、今の私の手には負えませんでした(笑)。
テンシュテットのマーラーを、全然タイプが異なりますが、ショルティと並んで気に入っています。
2007.04.06 22:24
無題 - naoping
Re:naopingさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
人気ないですね、8番。私も実はニガテでありました。しかしここのところ半ば意地になって聴いていたせいか、少し面白く聴くことができるようになりました。人間たるもの、たまには精進も必要なのだということを久々に感じました。
第二部の混沌とした世界は、「大地の歌」とは別の深みにはまっている、いや深みがあるようです。
テンシュテット盤は予想以上にいい演奏と感じました。他の演奏も聴きたくなり、まずは棚に眠っているショルティ盤をきき返そうかと思っています。
2007.04.07 15:15
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