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"特別料理"、ポリーニ、"テレーゼ"

2014.12.29 - ベートーヴェン

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綾辻行人の「特別料理」を読む。

彼の作品は、なんとか殺人事件という題名のミステリーを何冊か読んだことがあるが、短編を読むのは初めて。

大学のコンパでフジツボをムシャムシャ食っていた大学助手。その様子に興味をもった紳士が彼にあるレストランを紹介する。大学助手は、やがてその不思議なレストランにはまっていく。

これは、エグイ。ゲテモノ食いのオンパレードである。
主人公のゲテモノ食いは、自分で作ったカレーのなかにゴキブリが混入していたことに発する。一口食べて違和感を感じるが、やがて「俺はゴキブリを食べている!」という達成感を覚える。そしてそれはだんだんとエスカレートしていく。そんな彼は不思議レストランの常連客になり、やがて。。。








ポリーニのピアノで、ベートーヴェンのピアノソナタ24番「テレーゼ」を聴く。

昨日に紹介した「熱情」と同様に、このCDにはこの曲もセッションとライヴとの2通りの演奏が収録されている。
ライヴのほうはテクニックが破綻しているため薦められないが、セッションのほうはいい。

ベートーヴェンが血気盛んだった、いわゆる中期に作曲されたものだが、つつましくて愛らしい音楽である。ポリーニは心を込めて丁寧に弾いている。
中低音の響きはこもりがちなものの、高音がクッキリと鮮やかであり、清廉さがある。また弱音の扱いが素晴らしく、小さいだけではなく音がピーンと張っている。

ベートーヴェンのソナタとしては小品であるが、聴いている間、とても充実した時をすごした。


追伸:
「熱情」は、このディスクに関してはライヴよりセッションのほうが、演奏・録音ともにいい。


2002年6月、ミュンヘン、ヘラクレス・ザールでの録音。



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キーンと晴れてます。











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Comment

エリンじゃないの? - 木曽のあばら屋

こんにちは。
「特別料理」というから、スタンリイ・エリンかと思ったら、
綾辻行人にもそういうタイトルの作品があるのですね。

「テレーゼ」はコンパクトにまとまった傑作ですね。
中期ではありますが、その無駄のなさ、簡潔な軽やかさは後期的なものも感じます。
2014.12.29 Mon 20:01 URL [ Edit ]

とんでもない小説です - 管理人:芳野達司

木曽のあばら屋さん、こんにちは。
スタンリイ・エリンさんにもそういう作品があるのですね。綾辻の本作は、なんとも言えないゲテモノなので好みは分かれるでしょう。スタイルとしては、阿刀田高の「ナポレオン狂」に似ていますが、こちらのほうが下品です。
「テレーゼ」いいですよね。簡潔さは確かに後期に近いものがあるかもしれません。
ポリーニはこういう曲をやらせてもうまいものです。
2014.12.29 22:46
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