ルドルフ・ゼルキン ベートーヴェン選集平林岳の「サムライ審判「白熱教室」」を読む。
著者は元パ・リーグの審判員、現在はメジャーでのデビューを目指している野球の審判員である。
面白いのは、日本野球とメジャーリーグのマナーの違い。
2塁にランナーがいると、そこから相手キャッチャーの指示が見える。ミットを構えている位置をバッターに知らせてやれば、バッターは打ちやすくなるわけだ。これをメジャーでやってしまうと、マナー違反ということになり、2塁ランナーは次の打席でビーンボールを投げられても文句を言えないそうなのだ。
ちばあきおの「プレイボール」では、そういうシーンがよくあって、それがあたりまえのように考えていたのだけど、メジャーでは違うらしい。
大差をつけているチームが終盤に盗塁をすると報復されるといったようなことはきいたことがあるが、サイン盗みの件は初めて知った。
このあたりも「ベースボール」と「野球」との違いに関わってきているのかもしれない。
ゼルキンのワルトシュタインは、高い予想をさらに超えていい。いいようもなく素晴らしい。
テンポの適切さ、音の強弱の塩梅、ニュアンスのつけかた、響きの厚み、スケールの大きさ、気合いの入った鼻息、どれをとっても1級品である。
凡人の想像を超えるものを作るのが演奏家なわけだけど、今のところこれ以上の演奏はちょっと想像がつかないなァ。
再生時は高音をこころもち上げた方がいいようで。
1975年9月、ヴァーモントでの録音。
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