ベートーヴェン「交響曲8番」ガーディナー指揮オルケストル・レボリュショネル・エ・ロマンティク白石一文の「かけがえのない人へ」を読む。
これは、たいして好きでもないエリート社員との結婚を控えた女が、昔付き合った男とのセックスに溺れる話。
「結婚というキャリアを残しておきたい」という女心はわからないでもないが、世間の常識にとらわれている哀れさがある。
結局、女はどちらの男を取るのか・・・。
企業小説としても読める好中編。
ガーディナーのベートーヴェン8番を聴く。
全体的にこざっぱりした、小回りのきいたベートーヴェン。どの楽器もきびきびとしていて気持ちがいい。響きもなめらか。
トータルの演奏時間は24分だからけっこうな速さなのだけど、格別なのは終楽章。6分少々で駆け抜ける。超特急の走りである。それでも技術的な破綻は見当たらず、あたりまえのように演奏している。すごいものだ。
小林秀雄ならば「ヨロコビが疾走する」なんて言うかもしれない。言わないか。
私はこの指揮者のベルリオーズをまったく面白いと思わなかったが、このベートーヴェンは好みはともかく、聴きどころは多いと思う。
1992年12月、ロンドンでの録音。
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