ブダペスト弦楽四重奏団/ベートーヴェン「ラズモフスキー第3番」このブログで弦楽四重奏曲を取り上げるのは、初めてである。
弦楽四重奏曲を聴いたのも、だいぶ久しぶり。数年ぶりになるかも知れない。
何故聴かないのかといえば苦手だからに他ならないが、それは音色が地味で華がないように感じるからである。そして、音楽の内容はといえば、色彩感がないぶん、全体の有機的な構成に比重をおいたものになるので、私としては少し構えてしまうのである。だから、このジャンルは、クラシック音楽のなかでも論理派(=左脳派)向けのものだと、勝手に思っている。
ところが、ここ最近涼しくなったせいなのかわからないが、ピアノやクラリネットなどがはいった室内楽をたびたび聴くようになり、とうとう今回は勢いあまって(?)、弦楽四重奏を聴いてみたくなってしまった。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲からは、後期はもちろんのこと、ラズモフスキーのシリーズからすでに現代の扉を開けるかのような革新的な書き方を聴くことができる。
終わったかと思うとまだ続きがあったりするフェイント攻撃があって、聴くものに対して挑戦しているようだ。
何故彼はこのジャンルでこのような激しい書き方をしたのかは、この弦楽四重奏という形式に深く根ざすものではないかと思える。
やはり、音色が地味だから??
この録音のデータは、1960年5月16日。とてもドライな録り方で、ごまかしの利かない酷な録音であるが、目前で演奏しているかのような生生しい臨場感がある。アンサンブルの精緻さを追求したものではなく、豪快な演奏。
細かい部分に拘泥しない、活力があふれる音楽である。だから、聴くのにもパワーがいる。あまり軽やかとはいえない。今日は、ついていける気分であった。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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