ズスケ弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの「大フーガ」を聴きました(1979年5-6月、ドレスデン、ルカ教会での録音)。
この曲で印象に残っているのは、切っ先が鋭く激しいジュリアード四重奏団の新盤と、まろやかな風合いで包み込まれるようにスケールの大きなゲヴァントハウス四重奏団の演奏。
ズスケは、その中間をいくような演奏だと言えるかもしれません。
各パートはとても雄弁であるゆえ、音楽は立体的に聴こえます。まるで、松脂が飛び散るさまが見えるような、臨場感のある音色でもあります。奏者の技量のバランスもとれているように思います。しかしとりわけ、ズスケの弾力性のあるヴァイオリンは、やはり最大の聴きものでありましょう。
パースのビッグムーン。
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