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オットー・クレンペラー

2006.05.08 - ベートーヴェン
不死鳥の指揮者、クレンペラー。
と、よく評されます。
指揮台から落っこちて大怪我したとか、愛用のパイプが原因で火事に
あったとか、さまざまなジンセイの困難を乗り越えて、
不屈の意思で現役を続行した指揮者だと…。
そんな話を聞いて、ああこのヒトは凄い、年もフルヴェンより1つ
上だし、顔もゴツイし、という感覚で、生意気ながら一目も二目も
置いていました。
でも、実際に音楽を聴いてみると、渋い。渋すぎる。
そして、遅い。
すごくとっつきにくい音楽をやるヒトだとわかって、暫くは
遠ざかっていたのです。
本日、たまたま衛星放送で、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団との
ベートーヴェンの交響曲全曲(!)を放送していました。
ちょっと用事があったので、第2番と第7番だけを見ました。
この第7番!!!
第4楽章の「タッタカタ」のフシがはっきり明確に聴こえるのです。
勿論、遅いからなのですが、じわじわと悠揚せまらぬテンポで
フィナーレを構築していき、とうとう、そして最後の
「タッ、タカタッ、タカタッ」が金管とティンパニに一撃が鳴らされた
ときは、涙が出そうになりました。
ケレン味はないし、特に変わったことをやっているわけでは
ないのですが、全体に漂う緊張感はなみなみならぬものが。
晩年になって、ときに想像を超える演奏をする音楽家はいますが、
クレンペラーもダテに歳はとっていませんでした(あたりまえか)。
ごちそうさまでした。

参考盤:
クレンペラーのベートーヴェン第7番

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Comment

芳野さんのブログ - neoros2019

ベートーヴェンブログと銘打っておられることでざっとすべて ベートーヴェンの項目を流し閲覧させていただきました。
テンシュテットの第9やハイドシェックのテンペストも記事であげられていたこと。さらに弦楽四重奏曲については主力どころは総ざらえほとんど、鑑賞掲上されていますね。
一貫して福島氏や故:宇野氏のような稚拙な自分本位な他の音楽愛好家たちの鑑賞傾向を踏みにじるような真似はいっさいせず大変好感を持たせていただける音楽鑑賞評と感じました。
確かにかつてハンドルを『吉田』と名乗っておられたように故:吉田秀和氏のような客観性と嗜好を織り交ぜた知性あふれる感想を綴られているように感じます。
最近ひょんなところのきっかけでインマゼールのフォルテピアノとシュレーダーのVnソナタ春を耳にしてその清涼感に驚いたところですがこの件は後日わたしのブログにあげることとします。
2016.07.22 Fri 20:26 URL [ Edit ]

恐れ入ります。 - 管理人:芳野達司

neoros2019さん、こんにちは。
なんだかんだとベートーヴェンは一番よく聴いています。あとはシューベルト、チャイコフスキー、それから最近ではブラームスのピアノ曲を聴き始めて、投稿の数はチャイコフスキーを抜きました。
インマゼールのフォルテピアノとシュレーダーのヴァイオリン、ご感想が楽しみです。

ちなみに、以前にneoros2019さんがUPされた煙草を吸っている女の写真を、壁紙にさせていただいてマス。
2016.07.23 14:22
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