アレクサンダー弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲1番を聴く(1997年5月、カリフォルニア、ベルヴェデーレでの録音)。
ベートーヴェンの作品18のなかでは、4番がもっとも好きで、次がこの1番か5番、といったところが今の気分。シンプルで快活、若々しくて勢いもいい。
ユニオンでアレクサンダー四重奏団のベートーヴェン全集を入手したので、1番から聴いている。この団体を聴くのは初めて。音程はあっているし、テクニックもじゅうぶん、アンサンブルの精度も高いとみた。
この曲の2楽章は悲劇調。ひとつひとつの楽器が、こみ上げる哀しみを丁寧に歌う。ヴァイオリンの嘆きに、ヴィオラとチェロが呼応するところは美しくて、深い。
スケルツォはいくぶんゆったり目。音に愛情がこもっている。これも素敵な演奏。
フィナーレは快速。個人技と合奏力の両方を問われる曲なので、技術的に難しいと思量するが、見事に弾ききっている。安定感がある。
まだこれと5番しか聴いていないが、どちらも優れた演奏なので、これからがとても楽しみ。
フレデリック・リフシッツ(ヴァイオリン)
ゲ・ファン・ヤン(ヴァイオリン)
ポール・ヤーブロウ(ヴィオラ)
サンディ・ウィルソン(チェロ)
屋根の上のパーティ。
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