C・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲7番(ノヴァーク版なのかな)を聴きました(1987年5月、ミュンヘン、ガイスタイク・フィルハーモニーでのライヴ録音)。
これは、2楽章と3楽章を入れ替えた変わり種。
例えばマーラーの6番だと、中間の楽章を入れ替えての演奏を比較的最近よくやられているようだし、いくつかは聴いたけれど、この曲での入れ替えには初めて触れました。
7番は、前半ふたつの楽章が長いのに比して後半が短いことから、曲は最高なのだけどラストがいささか可愛いのでは、などと思うこともあります。
C・デイヴィスの試みは、そうしたことを是正する目的があったのかもしれず、そこに着目して聴きました。
1楽章は弦の厚みと金管の柔和さが心地よい。ふたつのセクションが溶け合うときの手触りが肌理細かい。テンポは中くらいかやや遅めに感じます。
2楽章はスケルツォ。わかっていても軽い違和感。演奏そのものは抑揚たっぷり、ティンパニを強く鳴らせて剛毅でもあります。
3楽章はアダージョ。やはり若干戸惑う。やがて慣れると、ゆったりテンポが心地よくて眠気を誘う。弦はこってりまろやか、ワーグナー・チューバは神妙、あるいは幽玄と言ってもいいくらい。山頂はシンバルとティンパニ、トライアングル。
終楽章もアレっ。すぐに馴染みますが。ここも運びは堂々としているし、響きは野太く、力強い。最後はテンポをグッと落とし、怒涛の幕切れ。
全体を通して、間然することのない素晴らしい演奏だと思います。
ただ、アダージョは2楽章に置くほうがいいかと。慣れの問題なのかもしれません。同様に、マーラー6番はスケルツォを2楽章にしている演奏が好みです。
録音は良好、音量レベルは低め。
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