「芸術劇場」の続き。
前回に記述した内容に言葉足らずな箇所がありました。
ルツェルン祝祭管のメンバーに「エマニュエル・パユはいるわ」
という表現がありました。
彼は確かにメンバーですが、この演奏会には出ていません。
誤解をまねく表現でした。
指摘があったわけではなく、自分で気づきました。
それもチョビッと悲しいものがありますが。
さて、今日はブルックナーの交響曲第7番。
アバド指揮のルツェルン祝祭管弦楽団の演奏。
この映像をみて気になるのは、アバドの柔和な笑顔である。
少なくともカメラが指揮者をとらえているときの、半分近くは、
微笑んでいる。
メンバーに媚を売っているのだろうか?
思い出し笑いだろうか?
いやいや。
ここにはアバドが本当に音楽を楽しんでいる姿がある。
指揮をするのが面白くてしょうがないよ、という表情を随所に
みせている。
さすがにワーグナー・チューバの場面では、渋い表情であるが。
オケのメンバーの顔もいい。
笑顔の人も生真面目な人も緊張している人も、真剣に取り組んで
いるのがわかる、いい顔をしているのだ。
こういうコンサートは、いいに決まっているだろう。
ここで聴かれるのは、明るくて伸びやかによく歌うブルックナーだ。
冒頭の弦楽器の音色はふくよかでしっとりしており、美しい。
その上で寝ちゃいたいくらいだ。
第2楽章での金管楽器のハーモニーは、ちょうどいい渋みが
あって、荘厳な雰囲気がよく出ている。
第3楽章のトリオでは、表情がきめ細やかでデリカシーが
あって、ほんのりと甘い。アバドの指揮も絶妙だが、オケがぴったり
とついてきているのは見事。この部分が一番気に入った。
ルツェルン祝祭管はさすがに名人揃い。
「BPO - BPOの低弦の押し付けがましさ + 若々しさ」
といったような印象。
実にテキトー。
それにしても、映像を見ると、ブルックナーのファゴット嫌いが
如実にわかる。
ベートーヴェンの協奏曲では、いいところでタイムリーを
放っていたが、ブルックナーではベンチ入り同然。
アップのシーンは、足だけでした。
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