ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏で、ブラームスの交響曲4番を再び聴きました(1959年2月、ハリウッドでの録音)。
この演奏を聴くのは数十年ぶり。とっておき、と言いたいディスクでもあります。
冒頭を聴いて、早くも落涙しました。
コロンビア交響楽団の実体はロスアンゼルス・フィルだとの説がありますが、まあ、あまり気にすることはないでしょう。問答無用に、いいオーケストラです。
僕が若いころは「弦楽器が薄い」というような批判がありました。でも、いまじっくり聴くと、弦が弱いというよりも、管が強いという感があります。フルート、オーボエをはじめとする木管、そしてトランペット、ホルンなどの金管。じつに雄弁です。こうしたやりかたのほうが、むしろ音楽の立体感が出るのではないかと思うほどです。
穏やかな箇所はじっくりと叙情的に、激しい部分は苛烈に。メリハリのついた演奏です。瑕疵はあるんです。でも、勢いがそれを超えている。
改めて聴いて、やはりいい、としみじみ感じました。
この曲の名ディスクはいろいろとありますが、これは落とせない名盤です。
パースのビッグムーン。
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