レーゼルのピアノで、ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」を聴く(1974年、ドレスデン、ルカ教会での録音)。
パガニーニのテーマとは、例のアレ。カプリースの24番、華やかにして悪魔的なあのメロディー。この曲をテーマとした有名な変奏曲は他に、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」がある。
さてこの曲、変奏曲としては同じ作曲家の「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」よりも技巧的には難しいものと思われる。ブラームスのピアノ音楽のなかで、一番派手かも。変奏によっては、ラフマニノフもかくや、と感じる。1巻と2巻にわかれており、それぞれ例のテーマで始まる。この演奏では合わせて23分程度。
華麗な音楽だが、全体を通しての音楽の深み、広がりはヘンデル・ヴァリエーションが上をいくのじゃないだろうか。
レーゼルの演奏に隙はない。硬い音色を基調に、目覚ましいテクニックでもってバリバリ弾いている。音が明晰だから、ひとつひとつが粒だっている。素晴らしいピアノ。
屋根の上のパーティ。
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