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レヴァイン、ブラームス交響曲3番

2015.05.16 - ブラームス

ma



レヴァイン指揮シカゴ交響楽団の演奏で、ブラームスの交響曲3番を聴く。

スピード感があって、カラッとした肌触りがするところは、同時期に同じアメリカのオーケストラで録音されたマゼール指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏に少し似ている。マゼールの直線的な演奏に対し、レヴァインはところどころ曲線的な味付けを行っている。

冒頭から驚かされる。トランペットの音が高いのだ。1オクターヴ高くしているのか、あるいは他の演奏がトランペットを抑えているのか。どうなのだろう。少し違和感がある。悪くはない。
全体を通して、弦楽器がとても柔らかい。ショルティやジュリーニが指揮するものとは少し違う色合い。RCAの録音のさじ加減も関係しているのだろう。

1楽章は、ふくよかなストリングスに対して副旋律のファゴットがよく聴こえていて、立体的な音が楽しめる。

2楽章は冒頭のクラリネットとファゴットとの主題がいい。小さな抑揚がつけられていて両方の音がしっかりと聴こえる。とても穏やかな気持ちになる。

3楽章は、例の有名な旋律をチェロが朗々と歌う。1フレーズごとに深い呼吸をつけており、憂愁の味わい豊か。あたかも木のぬくもりのような温かさを感じるいっぽう、芯がしっかりとした音色。シカゴ交響楽団というと、もっぱらブラス・セクションばかりが評価されるが、弦楽器がとてもいい。

4楽章は推進力が強い。ティンパニの強い打ちこみから主部に入ると、音楽がグングンと力強く進む。テンポはやや速めでありつつ、ひとつひとつの楽器の扱いはとても丁寧。楽章を通して非常に高い熱気をもっており、心躍る。この曲を聴いてそんな気持ちになったのは、久しぶりのことだ。


1976年7月、シカゴ、メディナ・テンプルでの録音。



ma
 
すがすがしい。





在庫がなく、ご迷惑をおかけします。
5月下旬に重版できる予定です。




「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!









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Comment

ブラームスとの出会い - yoshimi

こんにちは。
大学3年生のとき、この第3番を初めてFMで聴いて、とても感動しました。
FMで聴いたのは、たぶんバーンスタインの録音です。
それがきっかけで、クラシック音楽にはまったという思い出の曲です。この曲との出会いがなかったら、今ブログを書いていなかったかも。

高校2年生までずっとピアノレッスンを続けていたわりに、クラシックが好きと言うわけでもなく、レコードもFMもほとんど聴かなかったのに、どうしてブラームスの交響曲に魅かれたのか謎ですが...。

一番好きなのは、スリリングで白熱感と高揚感のある第4楽章です。
推進力が強くて、”心躍る”というのは、ほんとにその通り。ぐいぐいと前進していくので、聴いていると思わず力が入って、前のめりになりそうです。
エンディングで減速してフェードアウトしていくのは、当時の交響曲のセオリーとは違って、珍しいように思いました。
2015.05.17 Sun 12:30 URL [ Edit ]

シンフォニーでしたか。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
バーンスタイン指揮、ウイーンフィルのほうですかね。あの演奏は同じくFMか、あるいは図書館でLPを借りて聴きました。冒頭から重厚な響きを惜しまない演奏だったと記憶します。
昔は2番をブラームスの「田園交響曲」で3番が「英雄交響曲」などという習慣がありましたが、さすがに今はあまり言われていませんね。なんか違和感があります。
4楽章はなんというか硬派なブラームスといった感じで、頼もしい音楽と感じます。減速してフェードアウトしていく終結は、当時からしたら珍しいものだったと思います。そのあとたくさん出てきましたが( ̄ー ̄)
2015.05.17 18:26
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