リヒテルのピアノ、ボロディン四重奏団員の演奏で、ブラームスのピアノ四重奏曲2番を聴きました(1983年6月の録音)。
17日のツィメルマンの予習です。
この曲、通常45分から50分はかかるから、室内楽曲としては長いと云えるでしょう。この演奏だと、47分とちょっと。そのときの気分や体調によっては聴く気にならないことがあるけど、とてもいいと思うこともある。どちらが本当なんだ。
さて、この曲のなかで気に入っているのは2楽章。弱音器を装着した弦楽器がこよなく美しい。そして、ところどころシューベルト畢生の大作である「弦楽五重奏曲」2楽章の嘆き節のようなものも聴こえてきます。
天才の質は違うにせよ、作曲時ブラームスはシューベルトの生涯の年を越えていたわけだから、いくら嘆いても嘆き足りないくらいだろう、人生は。
演奏は全体を通して、リヒテルの大ぶりなピアノとボロディンの鋭角的なアプローチが相まって、なかなか豪壮なブラームスに仕上がっていると思います。
ミハイル・コペルマン(Vn)
ディミトリ・シェバリン(Va)
ヴァレンティン・ベルリンスキー(Vc)
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