カピュソンのヴァイオリン、ブニアティシヴィリのピアノで、フランクのヴァイオリン・ソナタを聴く。
ルノー・カピュソンは1976年にフランスのシャンベリというところに生まれた、中堅ヴァイオリニスト。アバド、ブーレーズ、バレンボイムらとの共演に加え、アルゲリッチと室内楽をやるなど幅広い活躍をしているそうだが、聴くのは初めて。
中音域から高音域にかけての音色が抜群。適度な潤いを保ちしっとりしていて、肌理が細かい。スウっと伸びる。ときおりきかせるポルタメントがほんのり甘くて、粋。ああ、フランスの味わい。
全体を通していいが、呼吸がじっくりと深い1楽章が特に素晴らしい。
ブニアティシヴィリは実に丁寧。ヴァイオリンにそっと寄り添う。でもそれだけではない。ひとつひとつの音が柔らかく粒だっていて明快。ぷっくりとした音色は新鮮な牡蠣のようで、艶やかで色っぽい。
現代におけるフランクの名演奏だと思う。また、このふたりのソリストにも注目したい。
2014年4月、プロヴァンス、ダリウス・ミヨー音楽院での録音。
密談。
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