ショルティ指揮ロンドン交響楽団の演奏で、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」を再び聴きました(1965年5月、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音)。
雪の降る週末はオーケストラ曲を。
この曲、日本で1980年前後にずいぶんと流行った。手練れの指揮者が立て続けに録音したことが要因なのだろう。カラヤン、ショルティ、オーマンディ、ドラティ、メータなど、錚々たる顔ぶれ。どれも良質の演奏だし、いくつかはレコード・アカデミー賞を受賞した。
ショルティのはシカゴ交響楽団とのもので、スマートな響きとキレのある技巧が冴えていて素晴らしいのだけど、最近はロンドン響との旧録音を取り出すことが多い。こちらは音に不思議なふくらみがあって、ドスが効いている。野趣とも云える味わいは耳に心地よく、あたかもハンガリーの平原を想起する。ベルリオーズではないけれど(笑)。
ザクザクとして厚みのある弦楽器群、割れんばかりに咆哮するホルンとトランペット、朴訥としたファゴットやフルート。そしてバルトークの音世界を細部まで面倒見つつ、ときには大きなダイナミックで色づけする指揮者。
ラストは熱く盛り上がって終結。豪快で、気持ちのいい演奏です。
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